明日香野ブログ

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いつでも明日香野 | ワットシーチュム(Wat Si Chum 菩提樹寺院)

明日香野がお届けする #いつでも明日香野。

ブログでしか読めない社長此下のお話をお届けいたします。

第1回タイ"ワットシーチュム(Wat Si Chum 菩提樹寺院)"のお話です。

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タイ族初の王朝とも言われるスコータイ王朝。その首都であったスコータイ遺跡にその寺院は位置している。15.6Mのアチャナ仏は座っている。アチャナというのは不動という意味で、この仏は「降魔仏」だ。おそらく、釈尊が悟りを開くに際し、悪魔がこれを邪魔しにかかるのだが、それをブッダが見事退けて悟りを開いたという時の姿を表した仏像だということだろう。「印」である触地印を結び、指先が大地に触れている。この指によって大地から神が出現して悪魔を退けたのだという。僕の大好きな手塚治虫の「ブッダ」でいうと第三部第13章「ヤタラの物語」から第四部第1章「剣士と風来坊」に当たる部分だ。

この「ヤタラの物語」でのお話はかなり手塚治虫の創作になっている。そこには奴隷身分から最強の戦士になったヤタラ、仏陀の故郷を滅ぼしたマガダ国の王子ルリ王子が登場する。実はこのルリ王子はインド最強の国家マガダ国の王子だ。実は、ブッダの一族が嘘を言ってマガダ国王に嫁がせた奴隷身分の女性の子供であったという設定になっている。奴隷身分として虐げられていたヤタラ、王子として育ちながら実は奴隷の子であったことを知るルリ王子。その2人の身分制度や正と死、病の苦しみが描かれる。ブッダ菩提樹の下で瞑想に入っている。ヤタラが瞑想中のブッダの前に現れ、彼にブッダが教え諭す内容が、ブッダ自身の悟りそのものになるという部分だ。

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ブッダは言う「木や草や山や川がそこにあるように、人間もこの自然の中にあるからにはちゃんと意味があって生きているのだ。あらゆるものとつながりを持って。お前は、そのつながりの中で大切な役目をしているのだよ」と当時の身分制度の最底辺に生まれたヤタラに生きる意義を説く。この前後に描かれる様々な苦しみがまさに当時のブッダを覆う悪魔であり、ここに手塚治虫ブッダの教えの最も重要なことを集約したいと思ったのだと思う。

当時のインドは強い身分制度を柱とするヴァラモン教(現在のヒンドゥー教の大本)の世界であった。その中で強烈な平等主義を述べるブッダの光は神々しい。そして、古代東南アジアのヴァラモン教世界・アンコールワットを作ったクメール人の支配を覆して大王国に発展したスコータイ王朝にとっても、仏教の持つ輝きがキラキラしていたのではないかと想像できる。この寺は14世紀末、日本で言えば南北朝のころに創建されている。実は、スコータイ王朝は「大マンダラ」の地位を失って、新しい「大マンダラ」であるアユタヤ朝に服属することになった時期となっている。斜陽の王国が建設したこの寺院が現代の私たちを惹きつけてやまない。

そんな文脈の中、建造されたワットシーチュム(菩提樹寺)と、降魔仏。今も多くの人々がお参りに来る。日本から運んだ桜餅と柏餅を捧げながら祈った。

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次回の更新をお楽しみに。

 

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